稲光と停電の頃

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最近はもう無くなりましたが、

昭和の三十年代

おチュウがまだ小さい頃、

よく停電がありました。

電力事情も良くなかったのでしょう。

夏の夜稲光と共に

雷鳴がとどろき始めると

決まって停電が起こりました。

家ではろうそくが常備されていて

暗闇のなか火を灯し

家族が一か所でじっとしていました。

網戸とかエアコンなんてものはなく

窓は開けっぱなしで、

虫の大群が蛍光灯めがけて殺到してきました。

寝る時は蚊帳を吊り

蚊に入られないように

巧みにもぐり込んだものです。

夜中に目が覚め

しばらく暗闇の外を見ていると

遠くに稲光を認め、

ふとそのような遥か昔を

思い出したおチュウでした。



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