栞(しおり)が教えてくれた記憶

学生時代に購入した長編小説が手元にあります。

すでに45年の歳月が経過しているわけで、ところどころ紙は変色し破れた部分もあります。

生涯に3度は読み返そうと誓ったのですが、

なにしろ気の遠くなるほどの長編ですから、

途中で挫折しながら思い出しては読み進み‥‥ 😐 

今やっと3回目の最終巻に到達し噛みしめながら読んでいます。

本の題名や内容についてはまたいずれということで

ところで、先日その最終巻のあるページを開けると、

思いもかけず当時の栞が挟まっていました。

鶏の絵が書いてあり、実に良くできているのです。 😉 

すべて読み終えたので2枚まとめて挟んだのでしょうか

栞も本と同様に変色しているので、時間の経過を感じずにはいられません。

鶏の下にはSHOSEN BOOK MARTと書いてあり、

東京の神田神保町にある書泉ブックマートで購入したことを思い出しました。

と同時に、理系学生だったおチュウがなぜこんな文学書を買ったのかとか、あの頃の下宿生活や心の揺らぎや諸々のことが思い出され、しばし栞に釘付けに‥‥

不思議なもので、栞一枚であの頃の空気まで吸っているような気がするのです。

当時先の見えない生活をしていた自分が、なんとか人生の指針にと買ったこの本の価値を、栞が再認識させてくれたような気がします。


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