場末感ただよう居酒屋にたたずみ ‥‥

松本清張の名作「砂の器」に、
「国鉄蒲田駅の近くにある場末のトリスバー」が
たしか冒頭に出てきます。

かつて何度も読んだ愛読書ですが、
いつの頃からかあの雰囲気が好きになり、
自分の安らぎの場だとそう思い込むようになり、
ときどきそのような雰囲気を醸し出す場所はないかと
放浪するおチュウでした。

ところが、JR天満駅界隈には
小説の蒲田駅近くの場末感がふんだんに感じられ、
ちょっと路地に入るとそこはもうおチュウのイメージ通りなのです。

残念ながらトリスバーなんてない時代ですが、
似たような居酒屋はここにはいくらでもあります。

先日元同僚の皆さんと飲みに行きました。
姫路の帰りです。
その中に、とりわけ安い飲み屋専門のどけちの億万長者さんがいるのですが、
例によって安いところないのかというものだから、
お連れした次第です。

ちなみに、正面に座っている方は違います。
念のために ‥‥
おチュウでもありません。
念のために ‥‥

しかし、そこそこ飲んで帰ろうとすると、
「ここも高いなあ」とポツリ (+_+)
おチュウは言葉もありませんでした。

そりゃあもっと安い店もないことはないけど ‥‥、
健康を損なう覚悟があればお連れします。
心でそう呟きました。
声に出すと、行きたいというに決まっているので!

億万長者になるための秘訣とは、
そういうことなんだとつくづく感じました。