なれ寿し
秋になり、なれ寿しを思い浮かべる人は、和歌山人でしょう。
それもどちらかというと紀北か紀中生まれの人
紀南は目張り寿しがあるので、おチュウには実態がよくわかりません。
おチュウが子供のころは、秋になると山でササの葉を取って来て、サバの切り身でよくなれ寿しを作ったものでした。大きな桶に何層にも敷き詰め、重しをして、一週間ほど寝かすと味が浸みこみ、絶妙の味となる。
あの味が今も、体の奥深くに残っているのです。
油の乗ったサバは実に美味しく、体重もうなぎのぼり。
その結果、体も油の乗った状態になりますが、やめられません。
ゆうチュウが和歌山に帰る際には、必ずなれ寿しのお土産を暗に要望します。
暗にです。
ついついそういう雰囲気を醸し出してしまうのです。
そうして手に入れたのがこれです。
子供のころ食べた寿しは、もっと大きかった記憶がありますが、まあ子供の口だから大きく感じただけなのかもしれません ——。
それで今日もお土産を口にしているわけです。
深い味わい。
最近では、家ではあまり作らないのでしょうか?
世の中、おいしいもので満ち溢れています。
なれ寿し食べる人もきっと少なくなっていることでしょう