いにしえ人のささやき

春に平城京跡を訪れて以来久しぶりにやって来ました。

前回は広大な跡地が一面に春の花に埋め尽くされ、絨毯のように広がっていたのですが、

今はもう晩秋、数日前には近畿地方では木枯らし1号が吹いたそうです。

一面の荒野で、遙か遠くに朱雀門を望みしばらく棒立ち状態に……

風は冷たく強く、雲は忙しく流れて行き、人は誰もいません。

 

まるでいにしえの世界にワープしたような気配を感じたのですが、

それは違うと思い直しました。 🙄 

あの頃はもっとここ平城京は賑わっていたはずだし、いろんな建物が建っていたのに違いないのです。

そうなんです、ここはかつて日本の中心だった!

でも、今こうしてここに立ってみると、時間軸が違うだけの現代人としての自分がいることに違和感を感じてしまう。

ひょっとして、自分がいにしえ人であっても良いと思ってしまうのですが、考えてみればそれもおかしな話しです。

朱雀門の近くまで行ってみると、一面のススキの原でいっそう古代からの時間の経過を感じざるおえませんでした。

この季節というのはそんな感傷に浸れる時期なのかもしれません。