待ち人来たらず
泉の広場に差し掛かったときです。
中央でポツンと一人で男性が立っていました。
周囲には誰もいなかったため、やたら存在感を放ち、孤独感も漂わせていました。
おそらく誰かと待ち合わせをしているのでしょうね。
私は用があるのでそのまま通過し紀伊國屋の方へ……
所要を片付け、再び泉の広場にやって来たのですが、
先程の人がまだポツンと立っていました。
あれからずいぶん時間が過ぎたように感じましたが……
相手の人はまだのようです。
少し気の毒にも思いましたが、所詮行きずりの見ず知らずの人ですから、
そこは頑張ってくださいと少しだけ思いスルーしましたがね。
最近はスマホがありますから、待ち合わせるにしろ、どの程度遅れるのかぐらいは電話で把握できるはずです。
携帯電話以前の頃は、何時に何処で待ち合わせと決めるとずっとそこで待ち続ける人々の光景がありました。
ここ泉の広場でも、何代か前の噴水の頃は多くの人が待ち合わせ場所に選びたむろしていましたが、
今となっては懐かしい記憶です。