イカ徳利で酒を飲む

たしか数年前に熱海を旅した際、イカ徳利が土産物屋の店先に吊るしてあったことがあり、

買おうかどうかずいぶん思案した記憶があります。

でも、その時は結局買いませんでした。

その後時折こういったイカ徳利をテレビで見ることがあり、あの時の記憶が蘇るのです。

ただ、次は必ず買おうと思うのですが、なかなかその機会に恵まれず……

ところが、先日息子家族の家に立ち寄ったとき、

宮津土産だと貰った袋の中にイカ徳利が入っていましてね。

やっと出会えて大喜び!

持ち帰りさっそく試してみることに……。

 

当然熱燗でしょうね 😀 

そこで、まず酒を徳利に入れ容量を確かめてからコップに移し、

レンジで熱燗を作る。

しかる後に、イカ徳利に移ししばらく置いてイカのエキスが染み出るのを見計らいお猪口に継いで飲む、という手順をイメージトレーニング

そのうちに、イカエキスが酒に染み出すには熱いほど短時間で済むが、

熱すぎると酒がまずくなるからその温度は如何にあるべきか、

さらには時間を置きすぎると酒は冷えてまずくなるから許容できる時間と温度は?

……なんていろいろ面倒くさいこと考え出し

如何に上質の味で酒が飲めるか、いやうまい酒を飲みたいという思いが頭の中に広がってなかなか先に進めない!

そのうち疲れてきて……適当でいいか!

 

おもむろに酒をイカのお猪口に継ぎグイッと飲み干しました。

うまい!

しかし、お猪口が小さくてすぐに酒を注がなければならないため、

数回繰り返すうちに、面倒になり直接徳利で飲みはじめ……

するとあっという間に空になってしまいましてね。

何度か徳利に酒を入れ熱燗を飲むうちにけっこう酔いました。

 

ただし、燗酒は熱いほどイカの香りが増しますが、

熱さ故にふにゃふにゃになり徳利から本来のイカに変質していくので、いつまでも使える白物ではありません。

これで長年の心残りも一つなくなったことになります。

しかし、酒の肴にホタルイカとは……この辺少し検証が必要かもしれません。