心の休まる風景

ときどき気が向けば名もない駅で降り、山中を歩き回るのです。

たぶんそれは本能というものでしょうね。

理屈ではない何かが、勝手に体を動かしている。

かつてどこかで見た景色を追っているのです。

 

田畑が広がる山野の中にポツンと小さな小屋がありました。

子供のころ、夏の日、たしかにこんな場所を歩いていたと……

虫取りに夢中で、汗だくの顔を上げると前方にこんな小屋があった。

そういった風景に出くわすと心が休まるのです。