芝の上に寝転がったあの頃
扇町公園のグラウンドを通り過ぎ、少し傾斜のある小道を歩いて行くと、
左側には桜並木があり紅葉が始まっていました。
すぐ横には小さな丘があり、芝が敷き詰められています。
狭いエリアなのですが、誰か寝転がって空を見上げた状態でピクリとも動きません。
横に空き缶があり、ビールでも飲んでいたのでしょうか……
しかし、昨夜は雨が降ったはずなのですが、背中は大丈夫なのかなと余計な心配をしてしまいました。
空は晴れ渡り、寒くも暑くもない清々しい朝です。
きっと気持ちがよかったのでしょうね。
そういえば、芝の上に寝転がったことなどもうずいぶんないことに気付きました。
子供のころ、実家の庭に芝が敷き詰められていて、
大して広くはなかったのですが、良く転がって飼い犬と遊んだことを思い出しました。
しかし、芝は見た目には気持ちよさそうに映るのですが、
横になってみるとチクチクして案外気になるものです。
さらに、寝ているともぞもぞ、
蟻が這い上がってきたのに気付くとか、醤油バッタがいつの間にか服の上にいてこちらを見ていたりとか……、いろんな記憶がありました。
ほんの短時間、昔に思いを馳せたのですが、急に背後から機械音がして……、
振り向くと草刈り機の音でした。
その瞬間現実に戻り、先を急ぐことに!